腹腔鏡補助下噴門側胃切除術:半周噴門形成術を付加する食道残胃吻合
會澤雅樹 薮崎裕 松木淳 番場竹生 中川悟
Laparoscopy-assisted proximal gastrectomy
Esophagogastrostomy with the posterior wrapping technique
Esophagogastrostomy with the posterior wrapping technique
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First Author : Masaki Aizawa
Yutaka Yabusaki Jun Matsuki Takeo Banba Satoru Nakagawa
Ilustration : Leon Sakuma
quotation : GASTROENTEROLOGICAL SURGERY-HERUSU-SHUPPAN .Co.Inc
引用:消化器外科vol43,no2,p125~p135 から抜粋(株式会社へるす出版)
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-1-400x400.jpg)
1.半周噴門形成術を付加する食道残胃吻合の完成図
環状吻合器を用いて残以前壁に食道残胃吻合する。
残胃断端から吻合部までの距離を確保し、食道後壁半周に残胃を縫着してHis 角を形成する。
環状吻合器を用いて残以前壁に食道残胃吻合する。
残胃断端から吻合部までの距離を確保し、食道後壁半周に残胃を縫着してHis 角を形成する。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig1a ,p126
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-2-400x400.jpg)
2.半周噴門形成術を付加する食道残胃吻合の断面図
残胃内圧が上昇すると食道の残胃のオーバーラップ部分が逆流防止弁となる。
残胃内圧が上昇すると食道の残胃のオーバーラップ部分が逆流防止弁となる。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig1b ,p126
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-3-400x400.jpg)
3.ポートの位置
術者を患者右側、助手を左側、カメラ助手を脚間に配置し、計5本のポートを挿入し、ネイサンリバーリトラクタを刺入して肝外側区を挙上して腹腔内操作を行う。
体腔外操作の際に臍ポート創を4cm に拡張する。
術者を患者右側、助手を左側、カメラ助手を脚間に配置し、計5本のポートを挿入し、ネイサンリバーリトラクタを刺入して肝外側区を挙上して腹腔内操作を行う。
体腔外操作の際に臍ポート創を4cm に拡張する。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig2 ,p127
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-4-400x400.jpg)
4.腹部食道と胃窿部の授動
右横隔膜脚から食道裂孔を同定し、左横隔膜脚前面を授動する。
左下横隔動静脈から分枝する噴門枝を切離し、Toldt の癒合筋膜を左副腎上面から脾上極付近まで受動する。
右横隔膜脚から食道裂孔を同定し、左横隔膜脚前面を授動する。
左下横隔動静脈から分枝する噴門枝を切離し、Toldt の癒合筋膜を左副腎上面から脾上極付近まで受動する。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig3 ,p127
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-5-400x400.jpg)
5.膵上縁の郭清
迷走神経肝枝、幽門枝、腹腔枝を温存して左胃動脈を切離し、膵上縁のNo8a,9,11p リンパ節領域を郭清する。
迷走神経肝枝、幽門枝、腹腔枝を温存して左胃動脈を切離し、膵上縁のNo8a,9,11p リンパ節領域を郭清する。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig4 ,p128
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-6-400x400.jpg)
6.食道の離断
着脱型クリップを食道にかけ、鋏型超音波凝固切開装置(LCS) で食道を離断する。
着脱型クリップを食道にかけ、鋏型超音波凝固切開装置(LCS) で食道を離断する。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig5 ,p129
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-7-400x400.jpg)
7.腹部食道と胃窿部の授動
位を体外へ引き出し、病変肛門側のマーキングクリップを触診し、線状縫合器で胃を離断する。
位を体外へ引き出し、病変肛門側のマーキングクリップを触診し、線状縫合器で胃を離断する。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig6 ,p129
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-8-400x400.jpg)
8.吻合部のデザイン、機械挿入孔の作成
胃離断線から4.5cm の離れた残胃前壁に色素でマーキングし、吻合部中心とする。
マーキングから3cm の距離をおいて肛門惻の前壁を長軸方向に切開し、機械挿入孔を作成する。
胃離断線から4.5cm の離れた残胃前壁に色素でマーキングし、吻合部中心とする。
マーキングから3cm の距離をおいて肛門惻の前壁を長軸方向に切開し、機械挿入孔を作成する。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig7 ,p130
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-9-400x400.jpg)
9.食道と残胃の固定
助手が食道断端を挙上し、非吸収縫合糸で胃断端を食道後壁と横隔膜脚の左右に1針づつ縫合する。
助手が食道断端を挙上し、非吸収縫合糸で胃断端を食道後壁と横隔膜脚の左右に1針づつ縫合する。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig8 ,p130
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-10-400x400.jpg)
10.アンビル装着
2-0 物フィラメント縫合糸(90cm) を用いて食道断端に全層のまつり縫いを置き、アンビルを食道内に挿入した後に体外結紮で縫縮してアンビルを固定する。
2-0 物フィラメント縫合糸(90cm) を用いて食道断端に全層のまつり縫いを置き、アンビルを食道内に挿入した後に体外結紮で縫縮してアンビルを固定する。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig9 ,p131
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-11-400x400.jpg)
11.アンビルロッドの残胃内への誘導
アンビルに装着した根らトンチューブをガイドにアンビルロッドを根元まで胃の内腔へ誘導する。
アンビルに装着した根らトンチューブをガイドにアンビルロッドを根元まで胃の内腔へ誘導する。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig10 ,p131
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-12-400x400.jpg)
12.食道と残胃の固定
カメラ助手が臍創部からグローブテクニックを用いて吻合器を挿入し、助手が左季肋下の12mmポートからカメラを挿入して観察を行い、術者は右季肋部と左上腹部のポートから操作し、アンビルと本体の接合を行う。
カメラ助手が臍創部からグローブテクニックを用いて吻合器を挿入し、助手が左季肋下の12mmポートからカメラを挿入して観察を行い、術者は右季肋部と左上腹部のポートから操作し、アンビルと本体の接合を行う。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig11 ,p132
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-14-400x400.jpg)
13.器械挿入孔の閉鎖
器械挿入孔は胃の短軸方向に層々縫合を行って縫合閉鎖する。
器械挿入孔は胃の短軸方向に層々縫合を行って縫合閉鎖する。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig13 ,p133
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-15-400x400.jpg)
14.食道後壁のラッピング
非吸収縫合糸を用いて左右3針ずつ漿膜筋層縫合を行い食道後壁半周を残胃前壁でラッピングする。
非吸収縫合糸を用いて左右3針ずつ漿膜筋層縫合を行い食道後壁半周を残胃前壁でラッピングする。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig14 ,p133
![](https://medical-museum.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/Dr.aizawa-16-400x400.jpg)
15.術後1 年の上部消化管内視鏡所見
術前のHis 角と同様の解剖学的形態が復元されている。
術前のHis 角と同様の解剖学的形態が復元されている。
GASTROENTEROLOGICAL SURGERY fig15 ,p134